島の魅力を伝えるために、島旅の旅行商品の販売を25年以上担当し、のべ7万人を送客してきた戸田慎一さん。いつも島にリセットしに行くと語る戸田さんに、立ち上げの経緯から島旅への想いまでを聞いていきます。─戸田さんが旅の輪九州を立ち上げられた経緯を教えてください。旅の輪九州は「島に住んでいる方の悩みを解決する。」というのがコンセプトです。島は、海を越えるリスクがあり、世の中の旅行会社が、旅行商品を作りません。魅力のある島の旅をしっかり広報PRして集客できる会社を作りたいと思って立ち上げました。特に長崎の島は、福岡市ととても相性いいんです。壱岐と対馬はベイサイドプレイス博多にある博多港から船が出ています。壱岐往復フェリーは、5,000円。学生団体は3割引です。安いでしょ?ホテルも1泊3食で送迎もしてくれます。学生さんだったら2泊3日でお昼ご飯もついて2万円あれば行けるんですよ。福岡県民にもあまり知られてないです。─島といえば、沖縄の印象が強いのですが沖縄の旅行は扱っていますか?旅の輪九州は、沖縄の島旅をメインでは取り扱いしていません。沖縄が選択肢に入るとみんな沖縄を選ぶんですよ。あえて対馬、壱岐、五島に自分は特化しようと決めました。22歳くらいの時に壱岐に初めて行ったんですよ。インターンシップで旅行会社に入って福岡や熊本の大学の夏合宿等の旅行を担当していました。当時、西南学院大学の美術部さんが「壱岐に行きたい」と言って、バイクを船に乗せて行きました。昼間はエメラルドグリーンの海、夜は満天の星空、そして魚料理が美味しくて。感動して「こんなに安くて美味しいものを食べられるなんて」みんなに広めたいと思いました。当時、ホテルは舟盛り付きで一泊6500円くらいでした。なので学生さんは1万円もあれば1泊2日の旅ができます。当時の上司からは嫌な顔をされ、かなりいじめられましたね。「とにかく全日空を売れ」と言われましたけど、ひたすら壱岐を売り続けました。─コロナ渦で旅行会社として厳しい時期が続いていると思うのですが乗り越え方などありますか?今のところ会員獲得がいいんじゃないかなと思います。コロナどうこうではなくてファンをつけることです。阪急交通社は割引とか助成金に関わらずお客さんがいて、ちゃんと客層の顧客データ管理をしています。私たちも1万人くらいのファンを付けないといけないですね。阪急交通社が強いのはカリスマ添乗員がいるからです。いま私たちがやっている施策は「(一社)ニッポン観光連盟」というチームです。日本の中小の旅行会社の御悩みを解決しますということで去年7月に立ち上げました。コロナになって補助金とか助成金がでました。しかし、初めてのことでわからないとこばっかり。みんなで研修旅行に行って知恵を出し合って支え合って、情報の共有をしました。─島たびの魅力をズバリ教えてください。気持ちをリセットできることです。高校時代、世の中がストレスで潰されていってこれから冷たい世の中になると思っていました。家族とも友達ともLINEとかチャットでコミュニケーションが終わっているでしょ。それが続くと心が疲弊すると思ってます。感動や笑顔を作る産業、「笑顔産業」を作りたいと高校3年生の頃に思いました。小学校の頃、大工になりたかった。そしてもう一つがサービス業をやりたかった。僕は結局旅行業にいきました。だから旅行業というよりは笑顔産業、感動産業を作っています。笑顔が集まる場所を作るという意味では島旅は、いいですよ。私は、いつも島にリセットしにいくんですよ。特に壱岐はストレスが少ないです。車に乗っても10分〜20分で目的地に着きます。対馬は下手したら島の端から端まで3時間で着きます。飲んで食って寝るだけ。先日の対馬も温泉入って飲んで食って寝て星見て語って寝る。そして昼間は船釣りに連れてってもらってそして飲んで語って寝る。ただ本当にそれだけ。だから頭がすっきりする。そんな場所だから今回出会った人たちみんな笑ってたので、島って笑顔かなと。みんな1年に1回島にいけばいいのになと思ってます。壱岐じゃなくてもね。島は楽しいですよ。