新企画「旅する人」のvol.1〜2は運営メンバーの紹介とともにお届けします。旅をする人たちは、なぜ旅をするのか。どんなことを体験したのかなどを聞いていきたいと思います。彼と出会ったのは約1年前。圧倒的な好奇心とランペドゥーザ島の水くらい透き通った心を持ち、様々な人を惹きつける魅力があります。彼はどんな経験をしてきたのか聞いていきます。福本将虎(ふくもと・まさとら)福岡市出身。小学2年生から野球を始め、野球留学で宮崎の高校に入学。福岡の西南学院大学に入り在学中はインターンシップなどを経てフリーランスで受託案件やイベント企画などを行う。大学3年終了時に、退学しVCや大学のインキュベーションマネージャーなどに従事。幼少期に受けたモンテッソーリ教育が今の自分に大きく影響していると感じ、今は幼児教育のコンテンツを企画したり現代アートに関するプロジェクトに関わったり…これまでの旅について──今までどんなところを旅してきた?海外を旅したのは、アジアだけです。初めての海外は、小さい時に家族で台湾に行きました。「旅」と言えそうなのは中国・タイ・ベトナムかな。日本でもゲストハウスに泊まりに行ったり、ヒッチハイクしたりするのが好きです。海外には大学生の21歳くらいに行ってました。コロナで最近は行けてないです…──海外に自分一人や友達と行くのって、最初はハードル高くない?好奇心旺盛で、基本的に後先考えない性格だからとりあえずチケット買ってから考えますね。トランジット(飛行機の乗り換え)とか全然わからなくて焦っちゃうみたいなことはありました。わからない時は、現地の人に聞きます。英語は得意じゃないけど、コミュニケーション取るのは好きだから話しかけてみますね。本当のこと言ってるのか疑心暗鬼ですけど、気さくにコミュニケーション取ってくれるから大体なんとかなります。一番印象に残っている旅──印象に残ってる旅はある?一番最初に旅っぽいことをしたのは、高校3年生の宅習期間(宮崎の高校生しかわからないかも。卒業前の休みの期間)に自転車で九州一周した時でした。県外出身者(トラ氏は福岡出身)は卒業式だけは出席する。というルールだったので宮崎にどうやって行くか考えたところ、大分にいる同級生と自転車で行こうということになりました。ロードバイク買って、福岡→熊本→鹿児島→宮崎のルートで1日120km走って4日間くらいかけて宮崎に行って、宮崎→大分のルートで帰るという計画を立てました。シンプルにめっちゃきつかったけど、2人のうち一人がつい時はもう一人は元気だったから、30kmくらいあるのに「5kmで着くから頑張れ!」とか騙し合い励まし合いながら自転車を漕いでました。そういう時に一番幸せだったのが、ご飯と温泉でした。マックの200円くらいのハンバーガーも最高に美味しかったです。──自転車で九州一周したのは思いつき?思いつきです。福岡からの距離がどれくらいとか時間がどれくらいかかるのかとかも気にしてなかった自転車買ったのもスタートする4日前くらいだったので、ロードバイクのサドルの硬さと姿勢に九州一周しながら慣れました。これといって、成長したことや学んだことはないけど。ご飯が美味しいとか温泉が気持ち良いとか、ちゃんと寝ないと動けないとかそういうことを身をもって感じました。──その中でも印象的だった場所とかある?熊本の人吉の上村うなぎ屋が美味しかった。うなぎって値段が高くて、4000円くらいする。高校生には高すぎたので、一番安い1700円くらいのを頼みました。めっちゃ美味かった!豪雨で被害を受け休業を余儀なくされていたみたいですが、今は再開したようです!(良かった!)ただ、一番安い鰻ではお腹は満たせなくて商店街回ってたら、イベントやっててお店ごとにサービスが受けられて、ラーメン1杯無料とかお好み焼き50%オフとかそんな感じで全店舗行きました。めっちゃ幸せでした。海外についてもちょっと聞いてみる──中国・タイ・ベトナムを何で選んだの?タイは物価が安いし、ご飯が美味しそうというのと、知り合いのゲストハウスがあったから行きました。知ってる人とか知ってる場所があると情報もらえるし行きやすいと思います。ベトナムは、パートナーと行ってカップルで行くとしたらどこがいいかなと思って調べたら、オシャレで物価が安いっていうのでベトナムに行きました。中国は大学生になって初めて行ったのが中国でした。お金も無かったし、タダで海外行く方法ないかなと思った時に、お父さんがアパレルやってたので中国出張について行きました。──それぞれ行った国は同じアジアでも違った?ベトナムとタイは、生活水準や交通手段は似てると思います。ベトナムは日本人ってだけで歓迎される感じがありました。日本企業がベトナムに日本語学校を作ったり、雇用を生み出したりしているから親日っていうのもあるのかなと思いました。タイでは、そこまで日本人だからっていうのは感じなかったです。どこの国の人が来ても気にしてないような気がします。観光客はお金を落としてくれるので声はたくさんかけられますが。中国はタイとベトナムと全然違いました。貧富の差を感じました。大きなショッピングモールとボロボロの平家が建物が隣合わせで建っていて急激に経済が発展する様子がよくわかりました。──各国、行く前と行った後では印象の差はある?印象はそんなに変わってないです。知りたかったことを知れるとか、感じたかったことを感じれるとか、そういう意味では期待通りでした。アジア危険とかモノ盗まれそうみたいな印象あると思うけど、行ってみたらみんな優しかったです。タクシーも「ぼったくってるんじゃない?」って疑ったりしたけど、ほぼ、みんな正規の金額を提示してくれました。──海外に行って気づいたことは?一番感じたのは、沢山の人がいて色々な人生があるなと思いました。日本って親が認める職業みたいなのがあってある程度それに沿っているような気がします。子供たちが目指す夢も大体数種類でしかないように感じます。東南アジアではトゥクトゥクの運転手とか夜のお店とか、自分のやりたいことをやってるように感じました。(生活が大変でやらざるを得ないことかもしれないけど)そういう同調圧力に縛られてないし、囚われてないし人のこと気にせずにやっていることが居心地がいいなと感じました。自分の人生歩んでる人たちが多いなという気がします。最後に──これから旅をする誰かに一言お願いします。旅に正解はない。行く国も食べものも移動手段も全てを自分で決められる。全ての選択を自分で決めるって生きてる中でなかなかないなと思うんです。自分の直感だけに従って、好きな旅をすることがどれほど楽しいことか感じてほしいです。九州一周自転車旅を通して、日常で当たり前のご飯を食べるや寝るという行為が幸せだと感じるというのはとても良いなと思いました。非日常から見る日常だったり、海外から見る日本だったり、いつもと違う視点を持つことで感じる何かがあるんだなと思いました。とても素敵なインタビューになりました。◇トラくんが開催する「こどものアトリエ」